「サーモグラフィ?CP10のですか?」 と電話に出た従業員が聞き返し、「もちろん、できますよ!でも、今、誰かが赤外線カメラを使用中ですので、使い終わり次第、折り返し連絡いたします」。赤外線カメラは、PULS開発部門で大人気があり、常に誰かが使用しています。
しかし、どうして、サーモグラフィー分析に全力を費やすことに価値があるのでしょうか?すべては、PULSデバイスのユニークな「クールデザイン」がその始まです。
「クールデザイン」の三大原則
ここで、 「クール」という言葉には、2つの意味があります。明らかに、PULSは、プレミアムのハウジングを特徴とし、スタイリッシュに見えるデバイスで、好印象を得ることを目指しています(かっこいい、という意味の「クール」)。しかし、ここでの「クール」という言葉の主な意味は、温度に関する物理的な意味合いがあります。
スリムライン設計の電源が直面する最大の問題は、効率的で耐久性があり、見た目に美しいDINレール電源ユニットになるように、 発熱 「冷却」設計を必要とするところにあります。
「クールデザイン」には、三大原則があります。
- 最大限の 効率値の実現
- 電源 冷却 の最適化
- 敏感なコンポーネントの熟慮
しかし、問題は、「クールデザイン」について、負荷がかかっているときに最大限の可能性を発揮できることを、どうずれば視覚的に実証できるかということです。このような実用試験には、 サーモグラフィーが必要になります。
サーモグラフィで内部観察
先ほどのお客様に、折り返しの電話を掛けて「カメラが戻ってきましたので、弊社にお立ち寄りください」と伝え、やっと開発者のところへ戻ってきた赤外線カメラで、PULS CP10.241の試験セットアップを整えます。
カメラの設定を少し調整すると、 サーモグラフィ が画面に映し出されます。このタイプの熱画像は、PULSが開発したような対流冷却電源について、素晴らしい洞察を与えてくれます。
対流冷却では、温風が外部に移動します。機能している気流の作用は、サーモグラフィーで記録できます。
PULS CP10のサーモグラフィー画像は、 電解コンデンサ (画像キー:1、2、3、4、5)などの敏感なコンポーネントが、換気に最適な配置になっていて、冷却されることを明確に示しています。
+10°Cで寿命が半減
温度が10°C上昇すると、電解コンデンサの 寿命 は半減することになり、これは、電流負荷を考慮せずに考えた場合のことです。
これは、 静電容量の大幅減少となって現れます。この損失によって電源がすぐに故障することはありませんが、デバイス全体の寿命に重大な悪影響を及ぼします。
そのため、PULSは、バリスタやオプトカプラなどの温度に敏感な他のコンポーネントと 電解コンデンサの最適な配置 を非常に慎重に考慮します。共振設計に基づいて、耐用年数に影響を与えるコンポーネントを、変圧器などの「ホット」コンポーネントから可能な限り遠ざけます。
このアプローチの成果は、サーモグラフィーで見ると一目瞭然です。